不本意ながら。
夫の場合は、企業の面接試験よりも、転職エージェントのアドバイザーさんとの面談回数のほうが断然多い。
様々なタイプのアドバイザーさんに会って来た(らしい)。
夫に言わせると「何人ものアドバイザーさんたちに会っていると、その人が本当に頼りになる人なのかどうか、会ってすぐにわかるようになって来る」のだそうだ。
けれど、転職・再就職活動を始めた当初は、こちらはまったくの素人。対してアドバイザーさんは転職のプロ。
頼りになるとかならないとか考える前に、相手の言っていることがすべて正しいかのような錯覚におちいっていた時期がある。
なるほど最近の転職事情はそんなことになっているか。
などと感心していたら、ブラック企業にあやうく応募しかけた……なんてこともあった。
長く働いて欲しいから
自分が担当した人には、次の職場で長く働いてもらいたいから、問題のある企業に紹介はしません。
そのアドバイザーさんは、自信満々にそう言ったらしい。
(そこそこの)有名企業の名前を出して、
あそこの求人も扱っていますが、何しろ人の出入りが激しい。企業としては成長を続けていますが、働く環境としてはおすすめできません。
とつけ加えた後、とある企業をすすめて来た。
こうして文字に起こしていると、安っぽい営業手法そのものだが、なにしろ当時の夫は転職超初心者。
なるほど転職エージェントのアドバイザーさんとは、こうやってこちらの利益も考えてくれるのかと、いたく感心して帰って来た。
わが夫ながら単純ではある(笑)
それでも、その場で応募を即決しなかったのは上出来だった。
企業の口コミを調べる
何をもって「ブラック企業」と言うのかは難しい。
仕事人間だった夫は、休日出勤なんて当たり前。残業もあたり前(管理職だったので残業時間は計算していないのだが、たぶん100時間前後はあると思う)。深夜に電話で呼び出されたことも、何回もある。
それでも本人がそれを苦痛と感じない限りは、以前の会社は夫にとってはブラック企業ではなかったはずだ。
となると、ブラック企業の基準は何かということになるのだが、
サービス残業が当たり前になっている。有給を申し出ても取得できない。給与が相場よりもかなり安い。
といったあたりか。個人的には体育会系の社風をうたっている会社も、ちょっと怪しいんじゃないかと感じてはいる。
ここら辺をチェックポイントにして
⇒会社の評判、口コミ、年収から転職・就職情報まで分かる|カイシャの評判
⇒年収、企業評判、面接情報など転職・就活に役立つ情報サイト | キャリコネ
⇒【転職会議】企業の評判から求人までわかる転職クチコミサイト
などで評判をチェックしてみたところ。
疑う余地すらないようなブラック企業
であることが発覚。
こんなに分かりやすいブラックがあっていいのかと思うほどの真っ黒さ加減で、ひょっとしてひょっとしたらライバル会社がサクラを使って大量のネガティブコメントを寄せているんじゃないかとさえ考えたほどだ。
応募の催促⇒もちろ断る
催促というほど強引ではなかったが
応募していいですか?
的なメールが来た。もちろん断った。
あんなに自信をもって「長く働いてもらいたい」と言っていたのに、なぜブラック企業をすすめて来たのだろうというモヤモヤはそのままずっと残った。
あそこはやめたほうがいいですよ、と別のアドバイザーさん
そんなこんなの出来事からしばらくした頃。別の転職エージェントのとあるアドバイザーさんとの面談があった。
話しの中で、あのブラック企業の名前が出た時、アドバイザーさんはこう言ったらしい。
あの案件はうちでも扱っていますが、積極的にはすすめていません。
就業環境が悪く、人の出入りも激しいのだとか。
ほらね、やっぱり。
としか言いようがない。
最初の転職エージェントのアドバイザーさんがあまりに熱烈にオススメしてきたものだから、口コミサイトの評判はサクラによるネガキャンなんじゃないかと、一瞬でも思ってしまった自分が、今となっては笑える。
まとめ
転職・再就職活動を始めて日が浅いうちには、アドバイザーさんの言うことが正しく見えてしまいがちだ。
もちろん正しいアドバイザーさんもいる。こんなにお世話になっていいのかと思うほど、親身になってくれるアドバイザーさんもいる。
けれど、会社の業績をあげることしか考えていないアドバイザーさんがいることもまた事実だ。
相手の言うことを何から何まで疑ってかかる必要はないけれども、すべてをまかせてしまうのは危険すぎる。特にまだ相手の人となりがわからない初期の段階では、最低限、応募先企業の情報くらいは自分で収集したいもの。
ネットの口コミよりも、相手先企業とのパイプがあるアドバイザーさんの言うことのほうが正しい……なんて思い込みは、くれぐれもしないように。
すべてを知った上で、それでもなおその企業をすすめて来るアドバイザーさんもいるのだ。
この人なら!
と思えるアドバイザーさんに出会えるまでは、転職エージェントにすべておまかせをするのではなく、気になる部分はひとつずつ確認をしていくことをおすすめする。
結局そこで働くのは自分自身なのだから。