さぁ、転職だ!
そう思ってネットで情報収集をした時に、あまりのお先真っ暗っぷりに愕然としたものだ。
50代で正社員になるなんて「雲を掴むような話」だとハローワークの職員が言っていたとの記述を見てからは、さてどうしたものかと、本気で悩んだ。
もう50代ではあるのだが、まだ50代でもあるのだ。
早期リタイヤには早すぎる。というか、年金のない60歳から65歳までの5年間をどうやってやり過ごそうかと考えていたくらいのわが家の台所事情。
雲を掴むような話と言われても、ふむふむなるほど、と言って引き下がるわけにもいかない。
夫の転職活動がスタート
ある程度の覚悟をもって始まった転職・再就職活動。
「噂には聞いていたけれどこれほどまでとは」となげく中高年の方が多いところから察するに、おそらくはわが家の「ある程度の覚悟」くらいでは、へなちょこすぎて話にならないのだろうな、と考えていた。
予想のはるか上を行っているからこそ出て来る「これほどまでとは」の言葉なのだろうと当たりをつけたのだ。
まだ見ぬお化けを怖い怖いと言っているような気持ちでもって(←ん、たとえが少し変?)おそるおそる転職市場に乗り込んで行った。
そして。
そこで待っていたのは……。
と言いたいところなのだが、実際に夫が転職活動をしている様子を見ていると、実は想像していたほどには過酷ではないような気がしている。
いや、もちろん大変なことに変わりはない。
50代中高年にとって転職が簡単なものならば、「決まりました!」のひと言とともにブログの更新を今頃は終了しているはずなのだ。
そんな気配がみじんもないままに、今もこうしてブログを書いているということは、だからそういうことなのね、とどうか皆様察してやって下さいまし(苦笑)
ただ、極寒のマイナス20度の地に降り立つつもりでいたら、実際の気温はマイナス18度で、少しだけホッとした……、くらいには気持ちに余裕が生まれたのは間違いない。
リーマンショックと東日本大震災
そもそも50代の中高年向けの転職情報が少なかったので、ネットで検索をかけては関係のありそうな記事を片っ端から読んでいた。
希望の見いだせそうな情報などほとんどなくて、いたずらに不安ばかりが大きくなった。
けれど、実際に転職活動を始めてみると、まだ再就職は決まってはいないけれど、想像していたほどの惨状ではなかった。
なぜだろう。
そう考えた時に、はたと思いついた。
私が読んでいた情報は、リーマンショックや東日本大震災後の、経済の状況が非常に悪い時のものだったのではないか、と。
経済状況が思わしくなければ、企業も採用を控える。
そのあおりを真っ先に受けるのは、50代以上の中高年だろう。当時は新卒ですら思うような企業に就職できなかったと言われている時代だ。
そんなサバイバルな中での中高年の転職活動はどれほど大変だったことだろう。
そう考えれば「雲をつかむような話」という表現も、決して大げさなものではなかったはずだ。
その情報はいつのものなのか?
アベノミクスの成果なのか何なのかは知らないが、最近の転職市場には明るさが増している。
実際、夫が面談をした人材紹介会社のアドバイザーさんは
「少し前までは市場が縮小しきっていたけれど、最近はずいぶんと戻って来た」
と言っていたという。
となれば当然、中高年を取り巻く転職環境も以前とは確実に違っている。
日本の経済状況がつねに変動していることを考えれば、私たちが参考とする中高年の転職情報は、新しければ新しいほど良いということになる。
そんなホットな情報が、ネットといえどもそうそう転がっているとは思えないが、それでも情報を得る時には最低限
その情報の書かれた日時を確認
するクセだけはつけたおいたほうが良さそうだ。
中高年の転職が大変なことに変わりはないが、それでも古い情報を元にしていたずらに不安ばかりを募らせる必要もない。なによりも、そんなことをしていては、精神衛生上ひじょーによろしくない。
折れない心、前向きな気持ちをキープするのも、大切な転職活動のひとつだ。
えっ、こんなに大変なの?
と思う前に
いつ書かれた情報だろう?
とまず確認。
そうすれば、転職活動に多少なりとも希望が見いだせるだろうし、以前にくらべれば今のほうがまだマシと、自分で自分を励ますこともできるというものだ。