退職勧奨は突然に

092802

夫に突然の退職勧奨がやって来た。

新卒で一部上場企業に勤務したのち、請われて、今の外資系企業A社に転職した。あれから8年。

外資系企業ということで、当然のことながら日本企業のように雇用が安定していないことは覚悟していた。ただそれは、あくまでも自分自身の業績が振るわなかった場合のこと。きちんとした成績を残していれば、雇用はずっと続くものだと思っていた。

だから。

退職勧奨なんてものは、全くの青天の霹靂(へきれき)。予想だにしていなかった。

リビングでパソコンに向かっている私に夫はこう切り出した。

「俺、会社やめるわ」

一瞬、何のことかわからなかった。数秒してから、仕事が嫌になって自発的に辞めると言っているのだろうと理解した。

とりあえずパソコンの電源を落とした。話をじっくりと聞かなくてはいけなそうだ。場合によっては、辞めないよう説得をしなくてはいけない。

何かあったの?

たずねる私の目の前に、夫が取り出した1枚の紙。そこには

本日より7日間で業務の引き継ぎを完了し、その後1ヶ月間の自宅待機、自宅待機終了をもって退社とする……というようなことが書かれていた。

他にも細かなことが記載されていたが、読めば読むほど空々しい。今まで家庭すら顧みないような勢いでもって仕事をしてきた夫に対して、この会社は紙切れ1枚でいったい何を言おうというのだろう。失望感よりも先に怒りのほうが湧いて来た。

そうして、これは今でもなぜなのだろうと不思議に思うのだが、怒りとともに頭の中には

小田和正の「ラブストーリーは突然に」が大音量で鳴り響いていた。

小田さんの甘く透き通った歌声とは対照的に、私の思考は混沌を極めていた。怒り、失望、不安……ありったけの負の感情が混ざり合う。

何とかなるさ。

そう思った3秒後には、

でも、もう歳だ。50歳を超えている。

不安がにょろりと頭をもたげる。

悩んでも仕方がない。とにかく前に進むしかないんだ。そう自分で自分に言いきかせる。

けれど本音を言えば、やっぱり不安なのだ。退職勧奨をうけた日から時が経つにつれ怒りは収まって来た。けれど怒りが収まれば収まるほど、それに比例するかのようにして不安が大きくなって来る。こうしてブログを書いている今も不安で不安で仕方がない。

その不安を夫にぶちまけるわけにも行かず、さりとてひとりで抱え込むには重すぎる。

どうしよう、どうしたらいいんだろう。

考えた末に、私はこのブログを立ち上げることにした。愚痴を言ってしまうかもしれない。弱音ばっかりになってしまうかもしれない。先が見えない今の段階では、このブログの進む方向を上手く想像することはできない。

けれど、なるべく客観的になって、50代(正確には53歳)の転職・求職活動の実際を、体験談のようなものを書き記していけたら。

他人の愚痴なんて読んでいたって面白くはないだろうけれど、中高年の転職活動の様子が克明に記されていたならば、それはそれで同じような経験をしているだろう誰かの役に立つこともあるんじゃないかと思うのだ。

今回、いろいろと検索してみて初めてわかったのだが、中高年、特に50代の転職経験談・体験談といったものがネット上にはほとんどない。

それだけ50代の転職が難しいということなのかもしれない。企業に応募しても、応募しても書類選考すら通らず。数十社に1社の割合でやっと面接にたどり着いたと喜んでみても、今度はそこがブラックな企業だったり、給与の条件が前もって言われいたのと違ったり……。

そんな現実に直面したら、ブログを書くなんて気力はどこからもわいて来ないだろう。

だから。

だから、体験談が少ないのか。

あるいは、今の若い人たちにくらべて、ブログに慣れ親しんでいる50代が圧倒的に少ないから、結果として情報も少なくなっていると考えることもできるかもしれない。

後者であってくれ、どうか後者で。

願うような気持ちでもって、今このブログを書いている。

こうしてありのままを書いて行くことが、数少ない50代の転職・再就職の体験談となって、この日本のどこかで同じように悩み、苦しんでいるどなたかのお役に少しでもたてることを祈りつつ。


【人材バンクネット】
50代中高年の心強い味方!人材紹介会社集合型の転職支援サイトなので必ず登録できます。

この記事がお役に立ちましたらシェアお願いします

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク